LANケーブルで電源供給するネットワークカメラ
「ネットワークカメラ(IPカメラ)」が監視カメラのスタンダードタイプとなってきました。ネットワークカメラの給電の仕様は「PoE給電」のものが多いですが、「PoE」とはどういった仕組みのものなのでしょうか。PoEの機能やメリット・デメリットについて解説します。
PoEとは?
PoE とは「Powe over Ethernet」の略で、LAN ケーブルで電気機器に給電する仕組みのことです。PoEで電源供給する機器にはPoE機能のついた給電器を使用しなければ給電・通信ができません。主にネットワークカメラや Wi-Fi ルーター、IP 電話などがPoEに対応しています。
PoE給電は非常に簡単で、PoE受電の機器とPoE給電器をLANケーブルで接続するだけで電源供給することができます。
(LANケーブルはCat5e以上のものをご使用ください。)
PoE給電器には、主にカメラ1台に電源供給するPoEインジェクタと、複数台へ電源供給できるPoE HUBがあります。
PoEの規格
PoE の規格は、最大供給電力によって分類されます。
規格 | Class | 最大供給電力 |
PoE(IEEE802.3af) | 0 | 15.4W |
1 | 4W | |
2 | 7W | |
3 | 15.4W | |
PoE+(IEEE802.3at) | 4 | 30W |
PoE++(IEEE802.3bt) | 5 | 45W |
6 | 60W | |
7 | 75W | |
8 | 90W |
PoE 受電に対応した製品を使用するときは、この規格に対応した PoE 給電器を選定します。
PoEのメリット
PoE の最大のメリットは、ケーブルの配線が簡単なことです。
従来のアナログカメラなどは、映像・制御ケーブルと電源ケーブルの最低 2 本のケーブル敷設が必須でした。
しかし、PoE 給電に対応しているカメラは LAN ケーブル 1 本のみの敷設のため、工事費用を抑えることができます。
また、電源を確保するのが難しい煙突などの高所現場にも、電源の配線を気にすることなく設置することができます。
PoE受電のカメラはネットワークタイプのカメラ(IPカメラ)です。
ネットワークカメラ(IPカメラ)の特長については、以下のページをご参照ください。
PoEのデメリット
LAN ケーブルの敷設距離は最長 100m となっています。監視カメラからPoE給電器を設置する制御盤までの距離が100m以上になる現場は多くありますが、100m を超える長さのケーブル敷設が必要な現場では、延長器を設置して敷設距離を延長する必要があります。
また、PoE給電に対応したPoE HUBや、PoE受電のネットワークカメラは、非対応の機器と比べて価格が高い傾向にあります。小規模・単独の監視システムで、コストを抑えたい場合、ネットワーク機器の導入は難しくなってしまいます。
PoE受電の防爆カメラ
以下のオリエントブレインの防爆カメラはPoE受電に対応しています。
この他、耐圧防爆ネットワークHUB LC-200はPoE給電に対応したHUBを内蔵しております。
まとめ
PoEについて解説しました。PoE給電器を選定するときは、接続する機器のPoE規格や消費電力を確認してPoE給電器を選定するようにしましょう。
防爆カメラのPoE給電器の選定でお困りの際は、ぜひオリエントブレインへお問合せください。