爆発を防ぐ防爆カメラ
防爆カメラとは、化学系・石油系・鉄鋼系などのプラントや発電所など、爆発性雰囲気の発生する場所で使用されるカメラのことです。一般的な監視カメラは着火源になる可能性があるため、こうした爆発の危険のある場所に設置することができません。防爆カメラは、爆発性雰囲気に影響を及ぼすのを防ぐため、一般的なカメラに比べて非常に堅牢な造りになっているのが特徴です。
防爆カメラの用途
防爆カメラは主に以下の目的で使用されます。
作業員の安全確認
● 画像処理サーバーと組み合わせて、作業員の転倒などを検知
機械や装置・タンク内の監視
● 計測器の目盛りの確認
● タンク内の状況を常時監視するためにサイトグラスへ設置して監視
● 装置の温度を測定し、温度異常を検出
● 製造工程を監視し、品質を管理
など
防犯のため
● プラント構内への侵入者を検知
防爆カメラの選び方
様々な防爆カメラの中から、現場に適したカメラを選定するには、以下の点を確認する必要があります。
国内の検定に合格しているか
防爆検定には、国際規格(IECEx)、ヨーロッパ規格(ATEX)、アメリカ規格(UL)など、様々な規格があります。しかし、日本国内で使用するには、これらの検定に合格していても、日本国内で検定に合格していないものは使用することができません。日本の防爆規格には「電気機械器具防爆構造規格」と「国際整合防爆指針」があります。このどちらかに合格しているか確認しましょう。
現場の危険度に対応しているか
危険場所は、危険度によって以下のように分類されます。選定するカメラが現場の危険度に対応しているかチェックしてください。
Zone0(0種危険場所) | 可燃性ガスが連続、長時間または頻繁に放出される |
Zone1(1種危険場所) | 可燃性ガスが時々放出される |
Zone2(2種危険場所) | 可燃性ガスが異常時に放出されることがあるが、短時間しか放出されない |
ガスの種類と最高表面温度
可燃ガスは以下の表のように分類されています。
防爆製品の仕様には「ExdⅡCT6Gb」のような防爆性能が書かれていますが、この記号には防爆製品のガスグループと温度等級が表されています。
温度等級 | T1 | T2 | T3 | T4 | T5 | T6 | |
電気機の最高表面温度 | 450℃以下 | 300℃以下 | 200℃以下 | 135℃以下 | 100℃以下 | 85℃以下 | |
可燃性ガスグループ | ⅡA | アセトン アンモニア 酢酸エチル トルエン ペンゼン メタン エタン 酢酸 i-ブタン |
1-ブタノール 無水酢酸 プロパン メタノール n-ブタン 塩化ビニル |
n-ヘキサン | アセトアルデヒド | 亜硝酸エチル | |
ⅡB | 一酸化炭素 シアン化水素 |
エタノール エチレン エチレンオキシド フラン |
エチルエーテル | ||||
ⅡC | 水素 | アセチレン | 二硫化炭素 |
防爆の仕様についての詳しい解説は以下のページをご参照ください。
オリエントブレインの防爆カメラ
オリエントブレインには、固定カメラ、ドームカメラ、赤外線カメラなど、様々な用途に対応した防爆カメラがあります。
おすすめの防爆カメラ
PoE給電対応のネットワークカメラ
固定型の防爆ネットワークカメラ(IP カメラ)です。
PoE 給電に対応しており、LAN ケーブル 1 本で映像伝送・制御・給電が可能です。
200万画素、500万画素、4K解像度の高解像度カメラを内蔵しております。
PTZ対応のネットワークドームカメラ
ドーム型の防爆ネットワークカメラ(IP カメラ)です。
PoE(+)給電に対応しており、LANケーブル 1 本で映像伝送・制御・給電が可能です。
PTZ(パン・チルト・ズーム)機能を搭載しており、広い範囲を撮影することができます。
AHD2.0出力の高解像度アナログカメラ
小型・軽量の防爆アナログカメラです。
AHD2.0 の高解像度な映像を提供します。駆動部分が無いため、メンテナンスが簡単です。
温度計測に対応した赤外線サーモカメラ
防爆の赤外線サーモカメラです。
温度計測機能を搭載しており、温度異常の検知に適しています。
PoE給電に対応しており、LAN ケーブル 1 本で映像伝送・制御・給電が可能です。
防爆カメラを使用した監視システム・画像処理
防爆カメラを使用したITVシステム(監視システム)、画像処理システムを提供しています。
詳しくは以下のページをご参照ください。
まとめ
防爆カメラは爆発の危険が伴う現場に設置されるカメラです。作業員の安全確認や機械の監視など、様々な用途に使用されています。
オリエントブレインは防爆カメラの販売からシステムの構築まで承っております。防爆カメラのご導入にお困りの際は、ぜひご相談ください。